00:44「デザイン」と「アート」

前の記事のシンポジウムのテーマが、「テクノガジェットはアートになるか」だった。
話を聞いていて思ったのは、とにかく「アート」という言葉の定義を明確にしてほしい、ということだった。これはまあ自分が大学時代に哲学なんていうものをかじったせいで、言葉の「定義」というものに必要以上に敏感になっているせいもあるのだけど。
「デザイン」も「アート」も、どちらの言葉もかなり広い領域をさす言葉になってしまっている現状では、その二つの境界もかなり曖昧になってきているように思う。
ただ、自分は「デザインする」という事を生業の一部にしている関係もあって、「デザイン」と「アート」というものの区別だけは自分なりに整理している。明快に「コレ」という基準点があるわけでもないのだけど、自分の中ではおおよそこんな区分になっている。
作る人間の内側に理由があるのがアート
作る人間の外側に理由があるのがデザイン
「そうしたい」のがアート
「そうあるべき」なのがデザイン
衝動に近いのがアート
理性に近いのがデザイン
説明できなくていいのがアート
説明できなくてはいけないのがデザイン
つまり、「誰かのために(場合によっては自分のためでも)」「何らかの目的意識をはっきりと持って」最善を尽くすのがデザインで、「誰かのためというわけでもなく」「欲求に正しく従って」できてしまったのがアート、だというのが自分の自分なりの定義。
だからよく目にする(そして自分も時折やってしまう)「自己満足的な『デザイン』」とか「目的意識の透けて見える『アート』」とかいったものには不満を感じる事が多い。
